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カケルが緊急手術した

おとといの夜、まだ7ヶ月のカケルが緊急手術を受けてICUに入りました。

最近できるようになった、つかまり立ちからの転倒で、頭をぶつけ、頭蓋骨の骨折と頭の中の出血(×硬膜内血腫→○硬膜外血腫でした。訂正)
救急車で病院へいって緊急手術をうけ、そのままICUに入りました。

一日経って落ち着いできたので記録も兼ねて経緯からまとめます。

当日仕事も終わらせ19時半ごろに帰宅した。
ワイフから「カケル泣きやまんくて困っとるんよねー」と聞いていたが、まあ、大丈夫だろうといつもの笑顔を想像し家にはいった。

しかし入ってみると眠ったようなカケルと子ども相談ダイヤルに電話しているワイフがいて、何かあったことは感じとれた。
しばらくして目を覚ましたカケルが泣き出し突然嘔吐した。
その様子から体調がわるいことはわかったが、正直その時点で僕は事の重大さがわかっていなかった。

ワイフは病院へつれていく、と準備をはじめた。
聞くと昼すぎにつかまり立ちから転倒し頭をぶつけたこと、大泣きしたのでいつもの小児科へいったが、病院についたときには元気でわらっていたため先生も詳しく検査することなく家へかえってきたこと、それから、家についてから泣き止まず不安を感じていたことを聞いた。

車を走らせたのが20時前だった。その間にワイフが病院へ電話をするがつながらない、別の病院にもかけたが対応できないと言われた。
走行しているうちにカケルがまた嘔吐した。そしてずっと泣いていた。
しびれを切らしたワイフは119番で救急に連絡した。

救急車をアパートに向かわせそこで合流した。

そのときカケルは泣いていなかった。ただ青ざめてグッタリしていた。反応もかなり鈍い。タダゴトではない実感がした。このときから撫でるようにゾワゾワしたものが全身を巡りだした。ただ恐かった。ワイフは泣いていた。
合流してもすぐには動けない。受け入れ先を決めなくてはいけないから。「カケルの個人情報」、「経緯」をやりとし、その後救急隊の方から病院側へ連絡してもらった。3件の病院に断られ、4件目で脳外科医はいないがCTだけならと許可をもらった。
この救急車内で30分弱でのやりとりがすごく長く感じた。

病院についたのは20時40分ごろだった。
すぐにCTをうけた。このときの焦点は頭のなかに出血があるか、だった。出血がなければ安心して帰れる。でも結果、出血はあった。
右隅、広さにして全体の1/10程度の部分に白い影がかかっていた。
病院内が一瞬にしてざわつき、バタバタと動き出した。院長はすぐに関係病院へ連絡し、対応先をみつけてくれた。紹介状をかいてくれた。
結果をきいたとき、ワイフは真っ赤に目を晴らしたまま腰がくだけたように座り込んだ。カケルの様子から何かあることは明らかだった。けど僕はどこかで出血はない、オオゴトではないと思っていた。信じたかった。だから結果が信じられなかった。その結果が何を意味するか考えられなかったし、意識的に考えようとしなかった。ただ、次の病院へ移動することだけを考えていたと思う。ただ恐かった。

21時20分頃、次の病院ですぐに検査が始まった。その後しばらくして先生に呼ばれ説明をうけた。現在の状況、いまから手術が必要なこと、手術によって最悪のケースもありえるし障害が残ることもありえること。また手術は今後の悪化を防ぐもので現時点での脳への損傷を改善するものではないこと。つまりすでに脳への損傷があった場合、どうにもならないこと、だ。何枚かの同意書にサインした。

その後、手術室へ運ばれる通り道で数秒だけカケルと対面できた。

数人が取り囲んだ大人用のベットが近づいてきて、その中心に裸でグッタリした小さなカケルがいた。「カケル!」名前を読んだが反応はなかった。「カケル!カケル!がんばれよ!!!」それしかいえなかった。そのままカケルは手術室へと運ばれていった。
一瞬で涙があふれた。抑えられなかった。カケルが手術室へ入っていたことが恐かった。あの僕の子供のカケルが手術室へ入っていった。

そのときいままで抑えようとしていたものが溢れてきた。カケルの笑顔、笑い声、泣き声、始めて笑ってくれたときや寝返り、ズリバイをができたとき、だっこした感触、みんな頭の中に浮かんでは消えていった。カケルがいない生活を想像しただけで涙がとまらなかった。失うことがどうしようもなく恐かった。

それから10分ほど泣きつづけた。

事前説明では2時間程度、22時ぐらいから開始して24時ぐらいに終わる予定とのことだった。
僕たちは家族待機室とされた6畳ぐらいの個室で待った。
死や障害が残る可能性あることは説明にもあったしお互いにわかっていたけど僕たちはその言葉は口にしなかった。ただ、誰のせいにもしない、誰かにぶつけたりしない、自分たちの中で消化すること、どんな結果であってもその結果を受け入れることを二人で話しした。ただただ思いが通じることを信じて心のなかで胸が痛くなるほど願った。「カケルがんばれ」「カケルなら乗り越えられる」。それぐらいしかできなかったから。

手術は24時30分ぐらいに終わった。その待ち時間は途方もなく永かった。じっとしていると嫌なことを想像してしまいそうでウロウロしていた。ワイフと、大丈夫だという会話を幾度となくかわした。それから無事を前提として今後どうするかを話ししていた。

しばらくして先生によばれ結果を聞かされた。
手術は成功して、術後のCTでも問題なく血が取り除けたことを確認でき、術後の状態は安定しているのとことだった。ただ、どのような影響があるかは今後の経過次第とのことだった。またカケルはICUで様子をみることを聞かされた。
その後、術後のカケルに会った。まだ麻酔で眠っていたが頭に痛々しい包帯がまかれ、体にたくさんの管、口には人工呼吸器のようなものも付けられていた。でも呼吸をしていた。嬉しくて、頑張ったカケルが誇らしくて泣けてきた。

ICUは面会時間も限られ付き添いもできない。僕たちは今後のことを考え一旦帰って寝ることにした。

朝、ニャンコが駆け回る音と一緒に、いつもカケルが遊ぶオモチャの音楽が流れた。一瞬で目が覚めて朝から泣けてきた。

朝、病院側へお願いしてカケルと合わせてもらった。
カケルは眠っていたけど、医者から状態は安定していることを聞いた。

その後、昼前に病院からワイフへ連絡があった。
なんと、目を覚ましたカケルが自分で管を抜いてしまったため人工呼吸器みたいなやつを外し、また元気あまって泣きつづけるためワイフに付き添いをしてほしいという連絡だった。

ワイフに遅れて病院へいくと、一般病棟の個室のような所へ移されていた。そこでカケルはワイフに抱かれおっぱいを飲んでいた。
頭に包帯があり、体の管はついたままだった。でも目があいた、音もきこえているみたいだし、両手、両足をうごかしている。うれしくて泣けてきた。

気になることは、術後で熱があるせいか、その日中泣いているか寝ているかであったことだった。昔のような笑顔がなかった。

でも今日、昼過ぎぐらいから熱も下がり元気もでているため一般病棟に移してもらえた。体の管もはずれた。そしてカケルに笑顔があった。すごく嬉しかった。震えるほどうれしかった。
面会時間に限度があるため僕はひとりで家へ帰ってきていた。さっきワイフから連絡があった。点滴だけは残っていたのだが、カケルが暴れて外れるため点滴も外してもらったそうだ。

カケルの回復の一つ一つがすごく嬉しい。

以上、かなり長文になりましたがカケルの手術経緯と現状をまとめました。

まさにジェットコースターのような時間でした。ただある程度は回避できるにしてもこのようなこと自体は誰にでもありえることだと思います。0%にはできません。各人がコントロールできない範囲になるからです。今回は7ヶ月のカケルに起こりましたが、明日は僕かもしれない。
でもそれは乗り越えるには周りの人の支えとその人自身の頑張りが不可欠と思います。まだまだ安心しきれる状態ではありませんが、カケルを褒めてあげたいし誇りに思います。また携わっていただいた人すべてに深く感謝したします。ありがとうございました。

これはフィクションではありません。

IMG_1375
手術した右側が腫れているのよ。
ただこれはこれでかわいいと思うのは僕だけか。。

おしまい

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POSTED COMMENT

  1. まるこ より:

    朝知って、今やっとゆっくり読めた。
    号泣した。
    だいちが無事でよかった。
    笑顔が戻ってよかった。
    小さい体でよくがんばったね。
    大地の父・母も、よくがんばったね。
    母はこれから毎日付き添いで大変やと思うけど、あんまり無理せんように、自分の体も大事にしてね。
    また落ち着いたら連絡ください。
    岐阜のおじさんおばさんも応援してる!!

  2. yasue より:

    無事でよかった。
    本当に良かった。
    本当に本当に良かった。。。
    読んでいて涙が出てしまったよ。
    自分に置き換えると、胸がえぐりとられる思いでした。

  3. TKCリアーノ より:

    このまま元気いっぱいのだいちマンにであることを願っとくわ。
    俺も息子大事にする。

  4. まりお より:

    〉まるこ
    本当よかったよ。いっくんも気つけるべし。決して他人毎ではない。万が一、救急車のったときにかかりつけの病院いえるようにしといた方がよい。緊急でも受け入れてもらえる大きい病院がよい。万が一は防ぎきれないから万が一があったときどう動けるか、準備が重要と思う。
    ま、あんたなら準備万端そう。。

  5. まりお より:

    〉yasueさん。
    おひさしぶりですねー。無事ですか?
    当時、常にあのダイチが?っていうのが頭にありました。今までどこかでこういう話がありえることを聞いていながら、実際に起こるまで僕はどこか他人事でした。
    今回のことを自分の子供に置き換えて役立ててもらえるとうれしいです。
    悲しい話はごめんです。

  6. まりお より:

    〉TKC
    元気になるさー。生きてるんだす。
    こればっかりは無くして気づいたじゃ話ならんからね。よかったよー。ありがとう。

  7. kitaemi より:

    1日でもはやく、家族3人笑顔で過ごせる平和な日々に戻れるように願っています。

  8. まりお より:

    > kitaemi
    ありがとー。ありがとー。ありがとー。
    ダイチは順調に回復していますお。

  9. りの より:

    ごめん!!今知った!!
    ダイチ、よかった。泣ける~
    2人とも、体壊さないようにダイチ守ってあげて。回復を祈ってる!

  10. まりお より:

    〉りんちゃん
    コメントありがとー、心配ありがとー。
    ダイチは今週退院しました。ウザいぐらい元気です。
    ダイチがもう少し大きくなったら「親に心配かけんな、バカヤロー」と八つ当たりする予定。てへ。

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